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我々の診療所は以前お話したように『在宅医療』を実施しています。
患者さんは様々な疾病の方がいます。
伺う患者さんのお住まいの状況も、それぞれ異なります。
独居の方もいれば、ご夫婦だけで暮らしている方、
お子さんやお孫さんまでご一緒の方など、まさに各人各様です。
独居の方以外は、同居しているご家族が、看病や介護などにあたっています。
病気と闘っている患者さんはもちろんの事、家族の方もかなり大変な負担をしているようです。
私どもの患者さんの中に、不治の病と対峙している患者さんが何人かいらっしゃいます。
そのうちの一人、宮本 正志さん(仮名)70歳。
宮本さんは、皮膚癌。
昨年の10月頃、顔にほくろのような物が出来ていたそうです。
その時は何となく気になる程度だったそうですが、半年後、ほくろが以前より大きくなっていました。
改めて皮膚科を受診したところ、皮膚癌と診断されました。
ご本人は治療を望まず、経過観察という形になりました。
しかし、治療をしないということは、癌は進行していくのです。
最近、患者さんの家族から在宅医療の依頼がありました。
小生が米元院長と患者さんのお宅へ伺いました。
家の中へ入ると、ちょっと独特な匂いがしました。
表現が難しいのですが、ポータブルトイレで排便した後のような匂いです。
後で院長に聞くと、”癌臭”だそうです。
通常は気付く事は余りないようですが、この患者さんは皮膚癌なので、患部が外部に出ている為、その匂いも出ていたようです。
さて、患者さんとお会いすると患部はかなり進行していました。
患者さんの娘さんが看護をしていましたが、痛みを訴えることが多くなり、疼痛管理をお願いしたいとのことでした。
癌などの痛みに関しては通常のお薬では効きません。
モルヒネなどの特殊な薬、つまり麻薬です。
この薬に関しては、Dr.も麻薬を扱うためには、前もって診断書とともに、届出を出しておかなければ処方することもできません。
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